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Bicycle Wheel, Marcel Duchamp, 1913
「うーん、何が言いたいんだ?!」系アートの代表作。
彼の名は、Marcel Duchamp(マルセル デュシャン)。
アートの重要な評価軸である「どんだけ人に影響・衝撃を与えたか」という点では、
超超超超超・秀でた存在。
では、なぜか?
この作品を見て「自分でも作れるじゃん」と思った方。
そのとおり!彼はそれを狙っていたのです。
どういうことかというと、遡ること1913年(95年も昔のことです!)以下のようなことを訴えたのです。
・これもアートだ!ということは、そもそもアートって何なんだ?
「女性を描く」、「景色を描く」、では「どういう風に描こうか」、ということが主流のテーマだった当時、その枠を大きく超え、「そもそもアートって何なのだ?」、という投げかけをしたのです。とっても本質的な問いですよね。今なお問われ続けていることかもしれません。
・誰でもアーティストになれる!
椅子も自転車の車輪も、身の回りにある誰もが手に入れられるものです。アートはアーティストがゼロから作成し始めるのが当たり前だった当時、自由に既製品("Readymade"と呼ばれています)を利用して作品を作り上げてしまう彼の行為はかなり衝撃的だったです。
そして最も重要なのは初めて「コンセプト」を形にしたアートだということ。実際、この作品は紛失してしまったのですが、現物よりも「コンセプト」の方が大事なので、まだ椅子と自転車の車輪を持ってきて再作成してしまいました。この考え方も型破りだったのです。
面白いのは、「誰でもアーティストになれるんだ」とアートの敷居を低くすることを訴えたのに、現代となっては、この手のアートが「アートって何だかわからない」という現代の反応を招いていることです。
「身近なものを使って、一つのコンセプトを表現する」というこの方法は、今のアーティストにもよく見られ、「現代アート」のイメージでもあります。今この作品を見て、現代の私たちが新鮮味が感じられないのは当時とは状況が全く異なるので当然のことです。そしてデュシャンにとっては現代の私たちから「わからない」とされてしまうのは悲しいものの、現代のアーティスト達は確実に彼の影響を受けているということは嬉しい限りのことかもしれません。
アートを「何でもアリ」にして、より面白く(ある意味、不可解)してしまったのは、確実にデュシャンでしょう!
「業界の常識を破る」というのは、科学でも、ビジネスでも、どこの世界での共通して起こることです。そして、新しく打ち出したアイディアが次の常識となると、その立役者は伝説の人となる。つまり、アートの世界では美術館に展示される存在になるのです。今彼の作品が大切に保管されているのはそのためです。
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2008.01.26 | Comment:1 | TrackBack:0
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