
Untitled (Two Fighters), Martin Klimas, 2006
劇的瞬間。置物が落下し、地面に衝突し崩壊する間の、5000分の1秒を捕らえた写真作品です。アーティストのMartin Klimasは自分の納得のいく姿が写真に現れるまで、何度も置物を落下させ撮影するそうです。それは写真でありながら、立体の作品を造っているのと同じ感覚。
よくモノを落として割ることはありますが、こうして「瞬間」見るのは新鮮です。
Untitled (blue man), Martin Klimas, 2005Martin Klimas曰く、
私は「動き」を違った形で見せているんだ。それは静と動とが一緒に存在している、中間の状態。これが私たちの日常生活にも当てはめられて、何か考えを与えられたらいいなと思う。
I provide a way for us to see this action differently. It is an in-between state. A state where rest and motion can exist together. I hope this situation can be applied and give us thought in our everyday world.
(by The Morning News interview)
日常目にしているはずなのに、気づかずに通り過ぎているものってたくさんあるのでしょう。
Untitled, Martin Klimas, 2007
でも、なぜ人はこの作品を見て驚くのでしょう?
新しい考え方(商品、サービス)に出会ってショックを受けるのと、奇想天外なアートに出会ってショックを受けるのは似ています。
それはこれまで自分の中に無かったモノの考え方、軸で、物事を捉えているからです。
人間はたいてい主体的に人生を生きているので、客観的に振り返ることはあまりしません。でも客観的に物事を見ることは大切なことです。特にこの能力が必要となるのは何か困難・悩みがあり、それを乗り越えたいとき。困難・悩みがあるときは人間、主観の塊です。
こういう作品は、日常から少し離れて、現状を客観的に見るためのきっかけになると感じます。
っていうか、これは、アート全般、芸術(音楽、文学、など)全般に言えることかもしれないですね。
どれだけ客観的な軸を持ち、他と違ったモノの見方ができるかで、人生をより豊かに生きられるようになるのではないかと思います。
ですから、たくさんショックを受けましょう。
そして、なぜ自分にとってショックなのかを考えると新たな発見があるかもしれません。
参考サイト
・アーティストのサイト Martin Klimas
・所属ギャラリーのサイト FLOEY gallery
・アーティストのインタビュー The Morning News "Still Life"
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2008.03.12 | Comment:2 | TrackBack:0

Siena(2) 2002, Olivo Barbiel
ミニチュアに見えるけど、これは本物の情景。
イタリア中部にあるシエナという町を撮った写真です。
なんで、ミニチュアに見えるかというと、ピントに秘密があります。
写真の中でも細かい部分、ここだと写真の下の方にだけピントが合っていて、他はぼやけています。
これは、人間が小さな物を見ている時と同じような状態です。自分が集中して見ているところにだけピントが合って他はあまりはっきり見えていません。そのパターンが脳に焼き付いているので、この写真を見ても、ミニチュアに見えてしまうのでしょう。
左の写真は、ブラジルにある観光地イグアスの滝の様子。大勢の観光客が滝の真上でその情景を堪能しています。(こわそう。。。)実物の写真も1辺1m以上あるので、自分が鳥になって地上を見ている気分です。
もっとよーく見たい方は、こちら。(←すごいよ。)
リボ・バービエリ曰く。
「全部を見せる写真の撮り方にちょっと飽きたんだ。9.11以降、世界は少しぼやけて見えるようになった。なぜなら、起こりえないことが起きたからね。私は改めて、町を見てみたいんだ。」
“I was a little bit tired of the idea of photography allowing you to see everything,” Barbieri says. “After 9/11 the world had become a little bit blurred because things that seemed impossible happened. My desire was to look at the city again.”(MetropolisMag.com-Model World-2006.1.16)
Iguazu, Argentina/Brazil (IG09) , Olivo Barbiel
常に、物事を俯瞰することは大切なこと。
自分で精いっぱいだと何にも見えなくなっちゃうもんね。
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2008.03.10 | Comment:0 | TrackBack:0

Flughanfen, Ho-Yeol Ryu, 2005
カラフルの飛行機の機体。かっこいい写真です。
旅行をするときに、空港で時刻表を見て、飛行機が10分おきに飛んでいることに驚いたことがあります。
それを、写真にするとこういうイメージなのでしょう。
今、フランクフルトで観光旅行をテーマにした展覧会:ALL-INCLUSIVE A TOURIST WORLD が行われているそうです。観光旅行を取り巻く状況を描いたり、そこに問いを投げかける作品が集められています。
この写真は、批判とも支持ともとれないので、ただニュートラルに現状を表しているのでしょう。
ちょっと気になったのが、飛行機によって離陸の高さが違うこと。
助走距離が同じでないせいかも知れませんが、ちゃんと高く離陸している方が安心な気がします。(気のせいかな。)
参考サイト
・アーティストのページ:HAMATO ←他の作品もカッコ良い。
・展覧会のページ:ALL-INCLUSIVE A TOURIST WORLD
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2008.03.08 | Comment:2 | TrackBack:0

Inopportune: Stage One, Cai Guo-Qiang at Guggenheim NY
車はなびー。
この写真は、グッケンハイム美術館の中です。
天井からワイヤーで車を吊り下げ、車からはネオンの光がピカピカと放たれています。
これは、ツァイグオチャン(Cai Guo-Qiang 蔡國強)の作品。
すごく躍動感があります。
右の作品なんか特にすごいですよね。99匹の狼が透明な板に向かって飛び寄り、跳ね返されています。
この狼は剥製に見えますが、実は手作り。
上記の写真は、ドイツの美術館で展示された時の様子です。ニューヨークのグッケンハイムでは、スペースの関係上、右のように展示されていました。
天井スレスレ。
彼はもともと、火薬を連続で爆発させるパフォーマンスを行っていました。
まずはご覧ください。
おどろきました??
でもこれは、まだまだ序の口!
イギリスのtate modern で爆発(?)させたり↓、 NYで虹の花火をしたり↓、

(left: Explosion Project for Tate Modern,2003 right: Transient Rainbow,2002)
他にも、万里の長城、畑の中、クレーン車の上、三宅一生の生地の上、などなどいろんな所で爆発を。
ツァイグオチャンは今年の北京オリンピックの開会式と閉会式のセレモニーを行なうチームにも参加しているそうです。どんな爆発をさせるか楽しみ!
もっと”爆発”をご覧になりたい方は、下記参考サイトのCai Guo-Qiangのページから、
PROJECTS => MEDIA => EXPLOSION と進んでください。
(動画がリンクできなくて。。。。結構見にくいサイトです。)
私のおすすめは、
>万里の長城
・Project for Extend the Great Wall of China by 10,000 Meters: Project for Extraterrestrials No. 10 Jiayuguan, China - 1993
>一瞬です。
・Red Flag Warsaw, Poland - 2005
>建物の側面で。
・Restrained Violence: Rainbow: Project for Extraterrestrials No. 25 Johannesburg, South Africa - 1995
>日本の帯広でも。
・Skybound UFO and Shrine Obihiro, Japan - 2002
どうやら、宇宙人(Extraterrestrials)に対しても何か発信しているみたい。。。
ツァイグオチャン曰く、
アートは、現代システムの秩序に挑戦し、覆すための文化的&刺激的な道具だ!
- art as a tool of cultural provocation aimed at suberting and challenging contemporary sysytem of order -
(from Guggenheim Exhibition Guide)
日常の常識から、解き放たれましょー。
参考サイト
・Cai Guo-Qiang Home Page
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2008.03.06 | Comment:3 | TrackBack:0

Cambell's Soup Cans, Andy Warhol, 1962
上の写真は、アンディー・ウォーホルのキャンベルスープシリーズが、ずらーっとニューヨークの近代美術館MOMAに飾られてある様子です。アンディー・ウォーホルはその作品もさることながら、彼の思想は多くの人に影響を与えました。
アンディー・ウォーホルが活躍したのは1960年代。彼はそのころの社会的変化をうまく表現しています。超簡単に言うと、主なテーマはこれ。
・大量生産消費の加速
・マスメディアの台頭
・冷戦時代
Cambell's Soup Can (Pepper Pot), Andy Warhol
彼の発想・作品制作方法の独創性は、また今度説明するとして、今日はアートの資産的価値について書きたいと思います。
こちらのキャンベルスープ缶、去年のオークションでは8.5億円で落札されました。
(*$8,441,000 at Sotheby's Auction Nov 07)
1つですよ、1つ!全部出じゃないですよ。
ってことは、一番上の写真では、32枚飾られているので、総額272オクエン。
MOMAはこれらを寄贈されたので、実際に買ってはいません。
さて、8.5億円という高額な価値。これは未来永劫続くでしょうか。
私は、アートに資産的価値を見出すのは難しいと考えています。
なぜか?
それは、次世代の人にも”スゴイ”と思われるのは、すごーく難しいことだからです。
アートはどれだけ人を”スゴイ”と思わせたかが評価の軸ですが、
次世代の人にも”スゴイ”と思われるのは、よっぽどのことです。
自分の祖父母、両親、もしくは自分の子供、孫、ひ孫とも共感できる”価値観”を表現するのは、直観的にも難しいと感じるでしょう。
映画、音楽、ファッション。確かに時代を越えてもいいものもありますが、やっぱりマニアじゃないとあんまり遡りませんよね。
資産的価値を有するには、ある程度永続的に「欲しい人」がいて、それを売買することができる、ということが条件です。
例えば、土地に資産価値が見出せるのは、その土地が世代を越えて利用できる、からです。
そのアートが同世代に強く訴えることはあっても、次世代の人に刺激を与えられるかは正直疑問です。その作品の歴史的意義をとうとうと語られたら、関心はするけど、直観的な共感は得られないことが多いのではないかと思います。
だからアートに、土地と同等の資産価値を見出すのは難しいでしょう。
また、株と比べた場合、でもアートは全然不利です。
株は会社が発行します。そして基本的には、会社の提供する社会的価値=株の価値です。会社は"その時代の人間"で構成されていますから、経営者の手腕次第で、時代を越えても良い価値を提供できる会社であり続ける可能性があります。(逆に時代の需要に合っていないとダメになりますが。)
アートは、時代を超えた価値を見出してくれる人(美術館、コレクター)に支えられて、やっと成り立つことになります。その中に入っ自分の持っている作品の価値を語るには、マニア向けの知識も必要とされるし、面倒です。株の方がよっぽど扱いやすいでしょう。
でも、一つ株と似てるのは、青田買いをして、運よく有名になったら売りぬける、ハゲタカ方式はあるということ。まだ作家が若いころに作品を買っておけば、その値段が何十倍にもなる可能性はあります。
そして、そんな作家を見出せた自分も鼻高々です(笑)
また、株の世界になぞらえると、ギャラリーはベンチャーキャピタルみたいなものです。
優良企業(アーティスト)を見出して、出資して育てて、上場(有名)になったら、やっと元が取れる。
ただ、自分の生きている限り、その価値が保たれることでよしとするのであれば、自分の同世代と売買すればよいのだから、ある経度の可能性はあるでしょう。
ただし、親から相続したときにその価値が以後も続く、と考えるのはやめた方がいいと思います。
アートファンが増えれば増えるほど、同世代に支持されるものが市場の中心となって、昔のものも振り返るのはマニアだけになるのではないかと考えています。
まぁ、このマニア(コレクター)達が巨額の資産を持っているが故、無視できない存在であるのは事実ですが。
アートを買うなら、腹黒い気持ちは捨てて、純粋に好きな物を選ぶのが賢明です。
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2008.03.04 | Comment:0 | TrackBack:0

