現代アートがワカラナイ秘密
現代アートって、ワカラナイ。良く耳にする言葉です。現代アートが"わかる"ということは、何の説明もなしに「面白い」と感じられること。ここではそのワカラナイ秘密と、説明なしに直観的に「面白い」ものと思える「ワカルちゃう」ものとをご紹介します。
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まだら模様
Dubai World I, Andreas Gursky アンドレアス グルスキー, 2007
Dubai World I, Andreas Gursky, 2007


これは、ドバイのとある場所を撮影した写真です。
実物は、大きさも、縦3m×横2mと大きいので、結構迫力のある写真作品です。白と青のコントラストがくっきりとしていて、何か模様のようにもみえます。初めて見たとき、私にはアメーバが浮遊しているように見えました。

この白い部分は島です。では、この島々は自然でしょうか、人工でしょうか?



答えは、人工です。一見自然ののようにも見えますよね。
the world
現在ドバイで開発中の巨大リゾート地を撮影したもので、もう少し上空から見ると、右の写真のようになっています。

作品のタイトルである"Dubai World I"は、このリゾート地の名前"the World"からきています。よーく見ると右の写真、世界地図に見えませんか?右側の塊がユーラシア大陸で、左側がアメリカ大陸です。島の構築は完了しており、今後、それぞれの土地のオーナーが5年以内を目途にリゾート施設を完成させるのだそうです。



この写真家アンドレアス・グルスキーは、世の中にある情景を、いつも私たちが見るよりも少し引いたところから写します。パッと見、模様のような不思議な空気感があります。

99 cent, Andreas Gursky アンドレアス グルスキー, 1999Bahrain I, Andreas Gursky アンドレアス グルスキー, 2005
(left)99cent, Andreas Gursky, 1999 (right)Bahrain I, Andreas Gursky, 2005

上に2つの作品からも彼の作風が見て取れると思います。左の作品は、スーパーマーケットの陳列棚。大量に陳列されている商品の色が、全体として新たな模様を作り上げています。一番奥にある壁には(作品のタイトルでもあるように)、"99cent"と書かれています。この写真には、アートでよく題材になる、現代の「大量生産消費社会」が表されているのです。

この作品はデジタル加工がされてあるのですが、とくに違和感なく受け入れてしまいます。

右は、小さくて少しわかりにくいかもしれませんがバーレーンにあるF1サーキット場です。こちらもデジタル加工がされているのですが、実際近くで見ても、どこから画像を繋げているのか、なかなか見分けられません。写真としてだけでなく、デザインとしてもカッコいいですよね。

現代社会を写真によって、ある種クールに映し出す彼の作品は、強く人間の好奇心を湧きたてます。

そしてそれは、現代社会を"良い"や"悪い"ではなく、ただ"客観的"に映し出しているから、変な狙ってる感もありません。

ドバイのリゾート地、あなたにはどのように映りますか?

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[2008/01/30 00:10] | デザイン系 | トラックバック(0) | コメント(0) |
椅子と車輪の秘密
Marcel Duchamp マルセル デュシャン
Bicycle Wheel, Marcel Duchamp, 1913

「うーん、何が言いたいんだ?!」系アートの代表作。

彼の名は、Marcel Duchamp(マルセル デュシャン)。
アートの重要な評価軸である「どんだけ人に影響・衝撃を与えたか」という点では、
超超超超超・秀でた存在。


では、なぜか?

この作品を見て「自分でも作れるじゃん」と思った方。



そのとおり!彼はそれを狙っていたのです。


どういうことかというと、遡ること1913年(95年も昔のことです!)以下のようなことを訴えたのです。

・これもアートだ!ということは、そもそもアートって何なんだ?
 「女性を描く」、「景色を描く」、では「どういう風に描こうか」、ということが主流のテーマだった当時、その枠を大きく超え、「そもそもアートって何なのだ?」、という投げかけをしたのです。とっても本質的な問いですよね。今なお問われ続けていることかもしれません。

・誰でもアーティストになれる!
  椅子も自転車の車輪も、身の回りにある誰もが手に入れられるものです。アートはアーティストがゼロから作成し始めるのが当たり前だった当時、自由に既製品("Readymade"と呼ばれています)を利用して作品を作り上げてしまう彼の行為はかなり衝撃的だったです。

そして最も重要なのは初めて「コンセプト」を形にしたアートだということ。実際、この作品は紛失してしまったのですが、現物よりも「コンセプト」の方が大事なので、まだ椅子と自転車の車輪を持ってきて再作成してしまいました。この考え方も型破りだったのです。

面白いのは、「誰でもアーティストになれるんだ」とアートの敷居を低くすることを訴えたのに、現代となっては、この手のアートが「アートって何だかわからない」という現代の反応を招いていることです。
「身近なものを使って、一つのコンセプトを表現する」というこの方法は、今のアーティストにもよく見られ、「現代アート」のイメージでもあります。今この作品を見て、現代の私たちが新鮮味が感じられないのは当時とは状況が全く異なるので当然のことです。そしてデュシャンにとっては現代の私たちから「わからない」とされてしまうのは悲しいものの、現代のアーティスト達は確実に彼の影響を受けているということは嬉しい限りのことかもしれません。

アートを「何でもアリ」にして、より面白く(ある意味、不可解)してしまったのは、確実にデュシャンでしょう!


「業界の常識を破る」というのは、科学でも、ビジネスでも、どこの世界での共通して起こることです。そして、新しく打ち出したアイディアが次の常識となると、その立役者は伝説の人となる。つまり、アートの世界では美術館に展示される存在になるのです。今彼の作品が大切に保管されているのはそのためです。
[2008/01/26 17:06] | 実は知的系 | トラックバック(0) | コメント(1) |
壁にお絵かき
Dan Perjovschi
Dan Perjovschi



電話はこんなに小さくなって、テレビもあんなに薄くなったんだったら、人間はどうなっちゃうんだろう。



Dan Perjovschiこれは、Dan Perjovschiというルーマニア人アーティストの作品です。去年の夏、Momaで展覧会が行われ、壁一面に彼の"ユーモア×皮肉"に溢れる作品が登場しました。

"WHAT HAPPEN TO US"と題されたこのインスタレーションでは、現代に生きる私たちなら誰もが身に覚えのある、社会的、倫理的なメッセージ性のある作品(イラスト)が集められていました。

"US"は「私たち」という意味と「United States」との意味とが掛け合わされており、アメリカに対する皮肉を含んだものが多く含まれていました。

右の写真は、アーティストが実際に壁に描いている時の様子。




世の中の問題の要点を凝縮して、鋭くシンプルに描いているからこそ、見ている者を強く深く引きつけます。

展覧会では、作品をたくさん載せた新聞も配られました。もっとご覧になりたい方に、お手頃な作品集もあります。

Dan PerjovschiDan PerjovschiDan Perjovschi

「アメリカに縛られている人。」「石油の出るところでは戦争が。」「"私"に押しつぶされそうな"あなた"」といったところでしょうか。


アートにありがちな長い解説を必要としないのは、"今"を共に生きているアーティストの作品だからこそ。

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[2008/01/25 11:31] | 笑える系 | トラックバック(0) | コメント(0) |
こんにちは
私はアートが大好きです。特に、現代アート。
意味不明で、何か見入ってしまう、あの不可解な存在が気になって仕方がありません。
アートを見たときの、脳内が活性化されるような、あの感覚がただ単純に好きなのです。

「私、現代アート好きなんだ」というと、たいていの場合、
「へぇー。・・・・。」という返答が返ってきます。
気まずい空気です。
「うーん、現代アートになると、ちょっとね。わからん。」
こうなると、話を続けていいものか、話題を変えるべきか迷います。(たいてい続けますが。)

私が芸術の感覚に優れている人のように見られることもありますが、そんなことはありません。
ただ、平均よりも数多くの、変わったアートを見てきたという自負はあります。

この「わからん」という雰囲気。噛み砕くとこういうことだと思うんです。

「なんで、この自分にも簡単に作れそうなものが、たいそう大事そうにここに飾られてるんだ?
しかも、○千万円とか○億円とかいって、どういうこのなんだ?」

つまり、スゴイとされた理由が不明

そうなってしまった原因は、3つあると考えてます。

・評価の軸を共有していない。
 もし、評価の軸が「絵が上手であること」であれば、それはみんなと共有しやすく分かり易かったかもしれません。でも、歌を歌うのがすごく上手だからと言って必ずしも人を感動させることができるとは限りませんよね。逆に、下手な歌でも、ものすごく歌手の魂が込められていると、心を動かされてしまうことってありますよね。
 アートも同じです。評価の軸とは、「どんだけ人に影響を与えたか、そして、その後の流れをどう変えたか」です。一言で言うと「インパクトの大きさ=すごい」、です。会社なんかと似ています。どんだけ社会に影響を与えて、その後の世界の常識を変えたか、ということです。残念ですが、"スゴイ!"と評価するその軸を、アートはみんなとあんまり共有していません。当たり前ではありますが、まずそれが原因の1つです。

・同時代に生きたアーティストの作品じゃない
 これも結構大事なポイントです。「インパクトの大きさ」を理解するには、その時代の背景、一般常識と思われていたこと、それを知らないとわからないことが多いことは容易に想像がつくと思います。
「うーん、なんだこれ?」と思ったら、作品の年号を見てみてください。意外と古いものです。「えーっと、この時代の背景は、・・・」なんて調べ始めたら、もうあなたはアートオタクです。そんなことまで簡単にはしないですよね。その場合は、是非とも自分と同世代のアーティストか、「最近」作成されたアートを見てみて下さい。「すごい!」と思えるものに出会うはずです。そしてここでもそういうものを中心に紹介したいと思います。


・価格の感覚が不明。
 「○○の作品が、73億円で落札されました。この金額は現代アート落札価格の最高値を更新したもので、・・・」こういうニュースが、作品の映像と共に流れてきます。「えっ。なんでそんなに高いの?」と思いますよね。私も思います。正直、アートの市場は他の市場と比べて歪だと思います。でもこうなっている理由はアートの歴史を紐解くと見えてきます。
ファッション業界に例えるならば、今のアートはオートクチュールだけです。プラタポルテがありません。オートクチュールは、それはそれで必要です。でも、広くみんなの楽しめるプラタポルテがあってもおかしくありません。人は自分の身近なものの値段との相対的な比較で、その価格を判断します。アートにはプラタポルテがほとんどないなので、相対比較のしようがありません。それが一般から見て価格の感覚が良く分からない、とされる原因につながっていると考えています。これについてはまだまだ思うところがあって、追々私の意見を書いてみたいと思います。


最後に、私がこのブログを通じてできたら嬉しいと思うことは1つだけ。

・「なんだ、おもしろいんじゃん」
 あまり知られていない、すっごく面白いアートが世の中にはあるんです。ただ、それが知られていないという事実がもったいないなーと感じています。私は自分が「スゴイ!」と思ったアートしか紹介しません。アートって何だかなぁと思っていた誰かが、そのアートを「おもしろい!」と思ってくれたらそれだけで嬉しいです。現代アートだって、音楽とかファッションとかと同じくらい身近じゃないともったいない!そんな風に考えているだけなんです。

では!
[2008/01/23 12:22] | はじめに | トラックバック(0) | コメント(13) |
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プロフィール/Profile

ラサ

Author:ラサ
2年間のNY生活を経て、現在、東京在住。日本人の現代アーティストを海外に向けて紹介するサイトAZITOを運営しています。
2000年にNYのギャラリー作品を見て「すごい!」と衝撃を受けて以来、どうにかこの面白さをできるだけ多くの人に伝えたいと思い、日々試行錯誤しています。
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