Damien Hirst ダミアン ハースト
Where There's A Will, There's A Way, Damien Hirst


Damien Hirst ダミアン ハースト前回お話しした、Sotheby's (AUCTION) RED に出品されていたダミアン・ハーストの作品。こちら落札予想価格も、$5,000,000 – 7,000,000と一番高い!!

近くに寄ってみると、右の写真のように薬が3錠ずつ等間隔で並べられています。これはエイズの薬です。患者はこの3錠を毎日、飲む必要があるそうです。このオークションの目的を意識した作品であることがわかります。

出展作品の中には、もう一つこれと関連した作品がありました。

Damien Hirst ダミアン ハースト
それがこの左のペインティング。

3錠の薬を手のひらに載せ、私たちに見せているように見えます。

「この3錠が私には必要なんだ」、と。






HIV AIDS, DRUGS COMBINATION, Damien Hirst

現代アートの作品にはこのように、関連付けて見ないとイマイチわからない作品が結構あります。それも、現代アートをわからなくさせている原因の一つです。

5年後、どこかの美術館で、一番上の作品が展示されていたとします。タイトル「Where There's A Will, There's A Way(希望のあるところに、道はある)」と言われても、全然ピンとこないですよね。

え、なんで?この薬がきれいに並べてあることとどんな関係があるの?と。

現代アートは自由にみればいいんだ!というのもありますが、そういう自由すぎるところが人々に敬遠される理由の一つです。

すっごく説明づくしの展覧会ってのをやってみたら面白いかも。
もしくは、説明なし楽しめるものだけを集めた展覧会

あとはアーティストにもわかりやすくする、責務があると思います。「無題」ばっかりでは見ている方が疲れちゃう。「分かりにくい方がアートぽくて、カッコいい」という固定観念があるせいか、もしくは個性を出そうとするため結果として分かりにくくなってしまったということかもしれません。

わかりやすいことの利点は、より多くの人に訴えることがところです。そういうものの方が今後市場が広がっていくことを考えるとウケルかもしれません。





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2008.02.08 | Comment:0 | TrackBack:0
Felix Gonzalez フレックス ゴンザレス
Untitled(portrait of Ross in L.A.), Felix Gonzalez, 1991, the Art Institute of Chicago

飴が壁際で山積みにしてあります。美術館で見ると、結構戸惑います。


この飴の総量は、79.3kg(175パウンド)もあり、お客さんはこの飴を自由に持って帰っていいことになっています。そう聞くと何か可愛らしい作品に聞こえますよね。でも、このフレックス ゴンザレス(Felix Gonzalez)の作品の裏側には、ちょっと悲しいエピソードがあるのです。


作品のタイトルにある"Ross"は彼の恋人。RossはAIDSに侵されていました。
その恋人が時の経過とともに死に近づいていきます。

飴の総量79.3kg(175パウンド)は、彼女の体重です。

お客さんはその飴を自由に持ち帰るわけですが、それは、時の経過とともに彼女の体重が減っていくことと重なります。

彼はAIDSによって失われていく恋人の姿を、この作品に表しているのです。




「観客の手によってその形を変えていくアート。」
アートを語るときに評される、彼の作品の特徴の一つです。

飴の種類も、積み方も規定されていません。
学芸員の方が自由に積んでよいことになっています。
決められているのは、飴の総重量のみ。

「アートはアーティストの手によって作成するもの」という枠に捉われず、
「アーティストはコンセプトを出し、作成するのは誰でもいい」という考え方がそこには流れています。
以前ご紹介したデュシャンの影響がここにあることが分かるかと思います。


コンセプトが作品。
彼はすでに亡くなっているのですが、この作品が生き続けている理由はそんなところにあるようです。


でもこういう修飾語だけでこの作品を片付けるのは、寂しい気がしますね。



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2008.02.03 | Comment:0 | TrackBack:0